【何をして過ごすかで、必要な空間は変わる】料理・くつろぎ・人を招く。行動から考える間取りの話

同じ場所で過ごしていても、そこで何をするかによって、求める空間は変わります。
料理を楽しむ、ゆっくり本を読む、友人を招いて過ごす。
暮らしの「行動」から、必要な空間を考えていく第4話です。
「どこで」だけではなく、「何をするか」まで考える



前回は「どこで長く過ごすのか」から、家の中心を考えました。
でも同じリビングやダイニングでも、そこで何をするかによって使い方はかなり違いますよね。

そうなんだ。
たとえば「LDKで過ごす」と決まっても、それだけではまだ間取りは決められない。
料理を楽しみたいのか、ゆっくりくつろぎたいのか、人を招きたいのか。
行動が具体的になると、何を優先すべきかが見えてくるんだよ。
料理を楽しむなら、キッチンも暮らしの中心に

料理が好きな人なら、キッチンは単なる家事の場所ではなくなりますね。

そうだね。
料理そのものを楽しむなら、作業しやすさはもちろん、誰かと一緒に料理できるか、できた料理をすぐ食卓へ運べるか、といったつながりも大切になる。

キッチンに立っている時間そのものが、暮らしの楽しみになるわけですね。
ふたりで料理するなら、自然に会話できることも大切そうです。

だから「キッチンは何帖必要か」だけでは足りないんだ。
そこで誰が、どう料理するのかまで考える。
その違いで、キッチンとダイニングの関係や、収納の置き方も変わってくるよ。
くつろぎ方によって、心地よい場所も違います

読書や映画鑑賞を楽しむ人なら、今度は「くつろげること」が優先されますね。

うん。
読書をするなら落ち着いて座れる場所が欲しいし、映画を楽しむなら、ゆっくり画面を見られる環境が必要になる。
同じリビングでも、求める役割が違うんだ。

「リビングだからソファとテレビを置く」と決めるのではなく、自分たちがどうくつろぐのかを先に考えた方がよさそうですね。

その方が合理的だね。
何をして過ごしたいかが分かれば、家具の置き方や必要な余白も考えやすくなるんだよ。
人を招くなら、「集まりやすさ」が優先されます

友人をよく招く人なら、また違う空間が必要になりますね。

そう。
普段ふたりで快適に暮らせるだけでなく、人が増えたときにも窮屈にならないことが大切になる。

みんなで食事をしたり、飲み物を片手に話したり。
自然に人が集まれる場所があると、過ごし方そのものが広がりますね。

逆に、来客がほとんどない人なら、そのための空間を大きく取る必要はないかもしれない。
大事なのは「一般的な家ならこうする」ではなく、自分たちが実際にすることを基準に考えることなんだ。
何を大切にするかで、空間のつくり方は変わります

こうして比べると、同じひとり暮らし・ふたり暮らしでも、必要な家はかなり違いますね。

料理を楽しむならキッチン。
読書や映画鑑賞を楽しむなら、くつろぐ場所。
友人を招くなら、人が集まりやすい場所。
限られた面積でも、何を優先するかが決まれば、空間の使い方を整理しやすくなるんだ。

全部を広くするのではなく、自分たちにとって大切な行動に、きちんと場所を用意するということですね。

そうなんだ。
部屋の名前から間取りを考えるのではなく、そこで行うことから必要な空間を考える。
そうすると、暮らしに合った間取りがもっと具体的に見えてくるよ。
まとめ
暮らしの「行動」から、間取りを考える

同じ家でも、そこで何をして過ごしたいかは人それぞれです。

だから大切なのは、「誰が・どこで・何をするか」を順番に考えること。
そこまで整理できると、必要な空間とその優先順位が見えてくるんだ。

料理する、くつろぐ、人を招く。
毎日の行動を思い浮かべながら、自分たちに必要な場所を考えてみたいですね。

次回はいよいよ、「ひとり暮らしの住まい方」。
ここまで整理してきた考え方を、実際の住まい方につなげていこう。
記事でご紹介した間取り集について
ひとり暮らし・ふたり暮らしをテーマにした間取り集では、平屋を中心に、さまざまな暮らし方に合わせた住まいのヒントをご紹介しています。
サンプル版もご覧いただけますので、間取りを考える前に、まずは「誰が住むのか」「どんな時間を過ごしたいのか」を整理するきっかけとして、ぜひご活用ください。
- 有限会社 遊建築設計社布施 暁洋
遊ベーシックデザインの会・運営事務局長。長野県生まれ・東京都在住。遊建築設計社が運営する“住宅設計Labo:遊ベーシックデザインの会”にて、各種セミナーや研修会・イベントの企画・運営を行う。また、全国の住宅会社と共に、“住まい手目線”を第一に「これからの暮らし方」を考え、様々な家づくり提案ツールの企画・開発など積極的に活動を行う。






