2021年5月21日

ヒアリング:設計事務所の設計担当者に聞いてみた②

皆さんこんにちは!遊建築設計社の小川です。

今回も、『設計事務所の設計担当者に聞いてみた』と題し、設計事務所の設計担当者がプランニングを行う中で何を考えているのか、設計以外の目線から紐解いていきたいと思います。

第2回目となる今回ですが、ヒアリングについて聞いていきたいと思います。ぜひ最後までお読みください!

『聞く』⇒ ○○○○○

“ヒアリング”とは、「聞く」という意味の英単語です。同じ「聞く」という意味で、“リスニング”という英単語がありますが、ヒアリングとは自然に「聞こえてくる」場合に多く使われ、リスニングは意識して「耳を傾ける」というニュアンスで使われます。

「リスニング」といえば「学校の英語の授業」、一方で「ヒアリング」といえば「ビジネスシーン」で使われるイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

日本のビジネスシーンにおいて、ヒアリングとは『聞き取りや情報収集』という意味で使われています。本来の意味である「自然に聞こえてくる」というニュアンスが、自然な流れから相手のニーズや要望を聞き出すという意味で使われているのかもしれませんね。

住宅業界のヒアリング

ヒアリングは、お施主さんと住宅会社の皆さんが初めてやり取りを交わす場です。お施主さんとの会話の場を和ませ、緊張感を和らげること。お施主さんの希望や要望を聞き逃すまいと集中すること。住まいをつくる上でのスタート地点と言っても過言ではないヒアリングでは、様々なことを考えなければいけないように感じます。

「お施主さんの想いを上手く聞き出せないなぁ」
「ヒアリングでどこまで聞かなければ良いのか分からない」
「色々な要望を聞きすぎてしまい、要点をまとめられない」など

悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。そんなヒアリングについて、設計事務所の設計担当者はどのように考えているのでしょうか。弊社代表の松浦に聞いてみました。

小川「ヒアリングについて悩みを抱えている方も少なくないと思います。良いヒアリングの方法はあるのでしょうか?」

松浦「そもそも計画地や予算に合わせた床面積の間取りを確認することだけがヒアリングではありません。生活に必要なスペースとどんな生活スタイルを望んでいるのかを確認して、整理整頓することがヒアリングと考えています。」

松浦「その中で、お施主さんと一緒に暮らしやすい住まいの在り方を考えていくヒアリングが、良いヒアリングと言えるでしょう。」

小川「お施主さんの希望や要望をしっかりと聞き取り、一緒に住まい方を考えていくのですね。」

松浦「ただ、お施主さんに寄り添おうとするあまり、細かな各論から入ってしまうと、床面積がオーバーしたり、聞き忘れが発生したりします。全体を見失わないためにも順番に従って、整理整頓することが大切です。」

小川「お施主さんのはやる気持ちを押さえて、自らがお施主さんを案内していけるよう、自分自身のヒアリングの進め方を確立させることが大切のように思います。」

ヒアリングの極意

小川「では、最後にヒアリング上達のコツを教えてください。」

松浦「お施主さんとの関係性を築くことと同時に、頭の中で間取りを構成していくことが重要です。
それを身に付け実行できるようになると、ヒアリングの極意を習得したと言っても過言ではないでしょう。」

松浦「極意を習得することで、上手くヒアリングが出来るようになり、契約率が向上していくのです。」

希望や要望を整理し、お施主さんと一緒に計画条件・生活スタイルを決めていくことで、お施主さんに納得して頂けるプランをつくることが出来ます。ヒアリングを上達させることで、プレゼンで失敗しない間取りを提案することに近づけます。その結果、契約率が向上していくのですね。

たった一度しかないヒアリングの場は、お施主さんとの家づくりのスタート地点でありながら、とても重要な場面であると改めて感じました。次回以降も、気になるコトや疑問点を質問する中で、住まいに関する知識や理解を深めていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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小川 敦進
有限会社 遊建築設計社小川 敦進(おがわ たいしん)

2020年4月:遊建築設計社に入社。商品企画やSNSを活用した広報を担当。
“暮らしに関わること”を仕事にしていきたいと、「衣・食・住」を中心に就職活動。業界未経験ながらも、“住まい”が日常生活に与える影響力にやりがいを感じ、設計事務所で活躍中。

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