2019年9月20日

プランづくりのいろは⑩

プランルールで変わる!~プランニングの速さと質(その2)~

こんにちは!遊建築設計社の松浦です。
本日は、前回に引き続いて「プランニングのルール」についてお話しいたします。

私は今、自社の家づくりに「ルール」を定めることが大切と考えています。
それは、技術や法律的なこととは別に、安心・安全に住まうために誰にでもわかりやすく、関わる全ての人が最低限守れる原理原則のことです。
それによって、会社も、施主も、近隣も良しとする建物(住まい)の「質」を確保することが可能になります。まさに、三方よしなのです。

本日は、そのことを「意匠計画編」としてお話しさせて頂きます。

人が、家族がそこに住まうということは、住まい心地が良く、安心して暮らせなければなりません。
例えば、窓を例題に「窓から変わる家づくり」について考えてみましょう!

皆さん、窓の役割りは何でしょうか?

すぐに思い当たるのは、リビングや寝室へのガラス越しの明るさや、心地よい風(風通し)でしょうか。そうですね、その通りです。しかしながら、住まいにとっての窓の役割りは、まだまだ、もっともっと一杯あります。

例えば、玄関やホールにも窓を設けた方が良い。帰宅したときに、必ず電灯を点けなければならない、お客様を最初に迎え入れるところが暗い?というのは、如何なものでしょうか?法的には必要ではないのですが、自然光の入る窓が欲しくはありませんか!
それは、階段室にも同じことが言えます。2階から1階へ下りるとき、窓がなくて薄暗いと足を滑らして落ちてしまうかも?とても危険です!やはり、窓が欲しくなります。

更には、こんなこともお勧めしています。1階に掃出し窓を1か所設けること。そんなの当たり前!と言わずにお聞きください。掃出し窓は、庭への出入り口としての役割りもありますが、大きな家具の搬入や、災害時の避難経路(2方向避難)にも役立ちます。

また、家づくりには近隣への気遣いも重要です。お隣の家の窓と同じ位置に窓を設けることはタブーです。
プライバシーを守りながら住まう環境を整えることも意匠計画です。

この様に、窓一つとっても決めておかなければならないルールがあります。
この規定があれば、暮らしの「質」が上がり、施主からNGが出て後戻りをすることもなくなりスムーズにプランが確定していきます。

近江商人ではないですが、ルールを定める事で「会社よし、住まい手よし、近隣よし」という三方よしの精神が宿り、豊かな家づくりを可能にします。

皆さんも、プランのルールづくりを始めてみませんか。

次回は、「誰でも3倍速く間取りがつくれる間取り集のススメ」をご案内します。
夢のようで本当のお話にご期待ください。

挿絵

松浦 喜則
一級建築士 / 遊建築設計社 代表松浦 喜則

平成4年、遊建築設計社を設立。「住まいの文化座」を主宰し住宅会社の設計や、 営業マンに提案ノウハウを伝授。合理的で、簡単なプラン提案の手法は好評。年間500棟のプランニング実績から生まれた、接客用ツールを開発。

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