プランづくりのいろは⑥
外観デザイン、その心は?
こんにちは!遊建築設計社の松浦です。
今回も住まいのプランニングについてお話しさせていただきます。
皆さん、のっけから失礼致します。
お施主さんが住まいたいと思った、たった一つの間取りから、お施主さん好みの素敵な外観デザインをつくることができないと契約には至りません!
それどころか、デザイン力を問われることもあります。
「この外観は、本当にカッコいいのかしら?」なんて言われたりして。
少しキツイ言い方で恐縮ですが、本当にあったお話しです。
でも、それはないですよね!頑張ってつくったのに。
そこで、今回は、外観のデザイン力を身に付ける方法についてお話しさせて頂きます。
順番に申し上げますと、①様々な形を知り、②その構成要素を確認して、③それぞれをデザイングループに分けて覚えることです。
外観のデザイン力を身に付ける方法
具体的には、①様々な「形」を知るとは、屋根形状を把握することです。
代表的な屋根は、切妻・寄棟・片流れに陸(ろく)屋根でしょうか。その屋根の形状によって、建物の立体的な形状(フォルム)が決まるといっても過言ではありません。
②構成要素を確認するとは、形づくる要素を把握することです。その要素とは、バルコニーや窓の形状、外壁や屋根の仕上げ、飾りつけ(装着するアイテム)などです。
そして、最後の③デザイングループに分けることとは、①の屋根形状と②の要素を様々に組み合わせることによってイメージされるスタイル(様式)に分類することです。
例えば、ざっくりと和風や洋風、モダンの3つ位くらいに大別することから始めてみることも良いかと思います。その後に細分化して整理すると理解力が増します。
お施主さんのお話しから、スパニッシュ瓦や、スタッコ調の塗り壁に格子がある縦長の窓がお好きなのだと分かった。
分類からすると、洋風の中の「南欧風デザイン」である。
それならば、お気に入りの間取りそのままに、外観を少し急勾配の切妻屋根にアイアンの妻飾りを付けて形を整えてあげたら喜んでいただけるかもしれない!
プレゼンでは、大きく「うん!」とうなずくお施主さんの笑顔がそこにあります。
それがデザイン力です。
では最後に、外観づくりに思う「その心」をお伝えいたします。
間取りは「日々の生活(暮らし方)」を現し、外観デザインは「住まう人の趣向」を現す!と考えています。
であるからこそ、私たちはお施主さんの思い描く暮らし方に合せた「たった一つの間取り」から、必ずお好みの外観デザインをつくって差し上げるという気持ち(心)を持つことが大切なのです。
次回は、デザイン力を身に付けた皆さんに平面の形状から考える「外観デザインのつくり方」をご案内します。ご期待ください。
- 一級建築士 / 遊建築設計社 代表松浦 喜則
平成4年、遊建築設計社を設立。「住まいの文化座」を主宰し住宅会社の設計や、 営業マンに提案ノウハウを伝授。合理的で、簡単なプラン提案の手法は好評。年間500棟のプランニング実績から生まれた、接客用ツールを開発。