プランづくりのいろは⑤
プランニングの難所:配棟計画(その2)
こんにちは!遊建築設計社の松浦です。
本日は、前回に引き続き「配棟計画」の第2弾です。更に詳しくお話しさせて頂きます。
配棟計画のポイントは、「4つ」ありますとお伝えいたしましたね。
これらを一つひとつ確定していくことで、お施主さんにとって最良の土地利用が決まります。
では、ポイント①「建物の大きさと形状」からご説明します。
例えば、延べ面積30坪で総2階建てのシンプルな建物をご希望されたとしましょう。
その場合は、1階の床面積が15坪(30帖)となりますので、グリット910㎜のマス目は、60個(910×910=0.5帖)必要となります。これで、計画敷地内に建つ建物の大きさを把握することができます。
次は、建物の形状です。東西に長いか、南北に長いか。
或いは、正方形に近いかの検討となります。
それを決める為には、南に面する部屋の数と、ポイント②の「駐車場の位置と止め方」の検討が必要となります。
「南に面する日当たりの良い部屋を多くしたい。」更に、「駐車場は、親子が使う車3台分を道路に面して並列に設け、どの車も自由に出入りしたい。」とお聞きしました。
実はこれ、計画敷地がそれほど大きくない場合には、図の通り相矛盾することなのです。どちらを優先させるか、お施主さんが納得の上で結論を出さなければなりません。
次のポイントは、③「庭の位置と広さ」です。
庭は、計画敷地の南面を想定し、分散せずにまとめて確保してください。過ごしやすい南に庭を確保することで利用価値が上がることと同時に、建物内の日当たりが良くなります。お日様は何といってもありがたい!
明るくて暖かい家が最高の住まいと言えます。
庭は、暮らし心地に影響を与える大切なスペースです。
最後は、ポイント④「建物へ至るアプローチ」です。
一般的には、二つの考え方があります。道路から直接アプローチする方法と、駐車場からアプローチする方法です。日頃の使い勝手で、建物への出入りが便利と思われる方法をお施主さんとお話ししてください。
また、当たり前のことですが、玄関位置によって間取り(ゾーニング)も変わります。先々、変更することのないように慎重に決めなければなりません。
この様に配棟は、4つのポイントを軸に、相互関係を確認しながら確定していきます。
配棟計画は、難しいといわれておりますが、お施主さんと上手く合意しながら進めてください。
ここを乗り越えたプランだけが契約に結び付くといっても過言ではありません。
事前のシミュレーションを十分に行い、計画地の性格を把握した上でヒアリングを始めることをお勧めいたします。
次回は、「外観デザインの整え方」を分かりやすく解説します。
ご期待ください。
- 一級建築士 / 遊建築設計社 代表松浦 喜則
平成4年、遊建築設計社を設立。「住まいの文化座」を主宰し住宅会社の設計や、 営業マンに提案ノウハウを伝授。合理的で、簡単なプラン提案の手法は好評。年間500棟のプランニング実績から生まれた、接客用ツールを開発。