人気の間取りとは?:設計事務所の設計担当者に聞いてみた①
皆さんこんにちは!遊建築設計社の小川です。
今回から『設計事務所の設計担当者に聞いてみた』と題し、年間500棟のプランニングを行う住宅専門の設計事務所で、 商品開発や間取り集制作に携わる“設計担当者”が、普段プランニングを行う中で何を考えているのか。設計以外の目線から紐解いていきます。
住まいに携わる皆さんの気になるコトが、設計事務所の設計担当者にはどう映っているのか。質問をぶつけながら、設計のプロの“目”や“頭の中”を覗いていきたいと思います。
初回は、人気の間取りについて聞いていきます。ぜひ最後までお読みください!
「人気の間取りとは、どんな間取り?」
そもそも、人気があるということは、多数の良い評価を得ているということです。
モノ・コトに限らず、人物やコンテンツにおいても人気の有無があるはず。
設計担当ではない私なりに思案してみましたが、非常に悩ましく考えがまとまりませんでした。「人気がある間取り」とは、漠としていながらもたくさんあると思いませんか?
・収納充実のためのパントリーや土間収納
・コミュニケーションを創出する対面キッチン
・室内干しを実現するランドリールーム
家族構成や地域によって差があるかもしれませんが、人気と呼べる間取りはたくさんあるように思います。
設計担当者が考える人気の間取りとは?
では、人気の間取りについて、設計事務所の設計担当者はどう考えているのでしょうか。弊社代表の松浦に聞いてみました。
小川「人気の間取りって、たくさんあるように思うのですが?」
松浦「その通り。収納充実の家、家族のコミュニケーションが図れるゾーニング、コンパクトで安価につくれる間取り、どれも正しい解答です。」
松浦「でも言うなれば、人気の間取りとは、『お施主さんの憧れ』や『あったらいいなと思うスペース』を提案し、生活がしやすい暮らし方を『動線』で表現するプランのことです。」
小川「私が考えていたパントリーや土間収納などはあくまでも一つのスペースなんですね。」
松浦「そうです。お施主さんが求めるスペースを設け、そのスペース間を効率よく結ぶ動線を提案することが必要なんです。」
小川「お施主さんが間取りを見たときに、お施主さん自身が思い描いていた生活を想像させるような間取りを提案することで、感動や共感を得ることができるんですね。」
松浦「その通りです。たくさんの共感を得ることで、人気の間取りが出来上がっていくわけですね。大切なのは、お施主さんの思い描いていた生活を間取りから想像させることです。」
設計のプロではないお施主さんに間取りだけを見せても、そこでの生活を想像させるのは難しいと思います。生活をイメージさせるためには、スペースを結ぶ動線を計画し提案することが必要です。ただスペースを用意するだけでは、共感を得ることが出来ません。スペースを取り入れた上で、お施主さんに生活をイメージさせることで初めて「この家が欲しい」「この家に住みたい」と感じてもらえるのですね。
まだまだ知識が浅く、ましてや設計士ではない私の視点や考え方とは異なる設計の目線を感じ取ることが出来ました。この機会はとても有意義なものでした。今回だけに限らず、気になるコトや疑問点を質問する中で、住まいに関する知識や理解を深めていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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- 有限会社 遊建築設計社小川 敦進(おがわ たいしん)
2020年4月:遊建築設計社に入社。商品企画やSNSを活用した広報を担当。
“暮らしに関わること”を仕事にしていきたいと、「衣・食・住」を中心に就職活動。業界未経験ながらも、“住まい”が日常生活に与える影響力にやりがいを感じ、設計事務所で活躍中。