PISSH 月間人気間取りランキング(2023年1月)
廊下にも“ゆとり”は必要です。
2023年1月の人気No.1は、<南入り・20坪の平屋>でした。
2023年1月は、南入り2LDK・20坪の平屋がNo.1となりました。
南側にLDKと和室、北側に寝室と水まわりが設けられ、パブリックゾーンとプライベートゾーンが明確に分かれた間取りです。
廊下にも“ゆとり”は必要です
間取りを考える上で、効率よく無駄のない動線計画を考えることは大切です。ただし、以前この『いろはにほへと…』で書いたように、廊下のない間取りはありません。
廊下は多いと“無駄”や“もったいない”、少なければ“窮屈”に感じてしまいます。
今回の間取りをみると、廊下は寝室前に1.0帖しかありません。効率よく無駄のない、スムーズな動線計画となっていることが分かりますね。
実はこの間取り、洗面脱衣室のドアを西側に移動すると、廊下を0.5帖減らすことができます。洗面脱衣室は3.0帖に広がりますから、「無駄がなくなって更によくなる!」と感じるかもしれません…が、ここで想像してみてください。
廊下を0.5帖とした場合、寝室のドアを開けると、正面に洗面脱衣室のドア、横を向けば収納のドア…3方向をドアに囲まれています。開放されているのは、LDK側一方向のみ。そして、0.5帖に2人は立てませんから、家族同士で譲り合いが必要に?
これではいくらなんでも窮屈ですよね。やはり、ドアを開けた先に少しスペースがあった方が、狭さを感じにくく移動もスムーズになります。
限られたスペースの中で、廊下はできるだけ効率よく少なくし、部屋や収納を広くしたいもの。しかし、上記のように過度に無駄をなくし効率を求めると“窮屈”と感じてしまいます。住まいには“ゆとり”も大切。それは、廊下であっても同じです。
- 一級建築士畑本 雅子(はたもと まさこ)
遊建築設計社独自の設計手法「ブロックプラン」により、年間500棟の住宅プランニングを行うほか、ハウスメーカーや工務店から依頼された「間取り集の制作」や「商品開発」にも携わる。
女性だけで商品開発した『サンデーラテハウス』・『ココテラス』では、女性たちの要望を取り入れて、間取りや外観デザインなど、全体を取りまとめた。