プランづくりのいろは⑨
プランルールで変わる!~プランニングの速さと質(その1)~
こんにちは!遊建築設計社の松浦です。
本日から2回にわたり「プランニングルール」についてお話しいたします。
まず初めに、皆さんにお伝えしたいことがあります。
それは、「仕事は、後手に回ってはいけない!」ということです。
問題が起きてから対応の連続で、先回りをして手段を講じることが出来ない。
その様な仕事のやり方では、業務終了までに、2倍も3倍も大切な時間と労力を使ってしまうことになります。
何とかして「先手」を取りたいと思うのは皆同じではないでしょうか!
対応策は、自社の家づくりに「ルール」を設けることです。
本日は、構造編でお話を進めさせていただきます。
構造における「ルール」とは何か?
私たちは「ブロックプラン」というプランニングルールに則りプランニングしています。その方法は、各室をまとめた幾つかのグループ(ブロック)をつくり、そのブロックが上下階で同一条件、且つ同じ形状(面積・一辺の長さ)で重なり合うように間取りを完成させます。それによって、構造上重要な柱や耐力壁が上下階で重なり合い、
「間崩れ」が起きない構造となります。
ブロックプランの具体的な構造ルールは、
- ①ブロックの最大スパン(短辺の長さ)は、4.0P(3,640mm)以下とすること。
- ②ブロックの隅角部(四隅)には、どちらか一方に耐力壁(筋違い)を設けること。
- ③ブロックの一辺には、1/4以上の耐力壁を設けることなどがあります。
このようにルールを設けることで、技術者でなくても誰でもが構造上安心して住まえる間取りをつくることが可能になります。
構造設計者から、或いはプレカット工場で図面を描いている方からこのようなお話を度々お聞きします。
「最近は、施主との間で間取りが確定してから構造計算を、図面を描いて欲しい、
と言われます。」
時には、「確建築確認請が下りてしまってから、ということもあります。」
うーん、皆さん何か変ですよね?本末転倒ではないですか。
もし、構造計算をしてみたらNGだった、どうします?
施主に、「安全性の確認ができないのでプラン変更したい!」と言えますか。信頼を失いかねません。「プロなのだから…」と仕事に対する能力を疑われてしまいます。
プランニングルールとは、「最低ココだけは守りましょう!」という家づくりの規定、守らなければならない決めごとです。ルールづくりは、誰でもが後手後手にならず、
先手を取り、仕事が滞りなくスムーズにはかどる仕組みづくりに他なりません。
更に、構造の安全性確保は、性能上とても需要な事です。
次回は、「プランルールで変わる!プランニングの速さと質」の意匠(住まい心地)をご案内します。今始めなければならないルールづくり(標準化)にご期待ください。
- 一級建築士 / 遊建築設計社 代表松浦 喜則
平成4年、遊建築設計社を設立。「住まいの文化座」を主宰し住宅会社の設計や、 営業マンに提案ノウハウを伝授。合理的で、簡単なプラン提案の手法は好評。年間500棟のプランニング実績から生まれた、接客用ツールを開発。