あったら嬉しい!人気の提案スペース
人気の生活スペース
皆さん、こんにちは!遊建築設計社の松浦です。
本日も『人気がある生活スペース』について引き続きご案内いたします。
人気の生活スペースは3つ!
◆ 家族仲良く住まうスペース
◆ 量より質を考える収納スペース
◆ 脇を飾るスペース
人気の生活スペースは、上記の3つでしたね。
今日は、最後の3つ目「脇を飾るスペース」についてお話しさせていただきます。
このスペースは、住まい方の中で中心に据えられるわけでも、特に要望が多いわけでもありません。別の用途に使っている部屋や、その一部のスペースを共用したり、代用したりすること。
あるいは、家具などで賄うことも可能と言えば可能なスペースです。
しかしながら、ご提案すると、意外と反応が良くて皆さん納得されます。言うなれば、住まいの中では脇役ですが、「あったら、つくれるのであれば嬉しいな!」みたいな感じの「提案スペース」です。
様々な「脇を飾るスペース」
では、住まいの中で考えられる脇役となるスペースは何でしょうか?
例えば、キッチンやダイニング、時にはパントリーの近くに設けられる「ミセスコーナー」や、子どもたち専用の「スタディコーナー」。リビングに付属させた「リビングクローゼット」、玄関・ホールなどに「ファミリークロゼット(クローク)」、加えて玄関を彩る「ニッチ」。
更には、共働き夫婦の生活が楽になる「室内干しスペース」などがあります。
どれもこれも、必ず必要というわけではありませんが、住まいの中にあると何となく暮らしがラクになりそうなスペースですね。まさに脇役といえます。
「ミセスコーナー」は、家事を助ける裏方
先ずは、あると助かる「ミセスコーナー」です。
ここでは、料理のメニューを考え、食材の確認という段取りや、パソコンを置いて家計簿付けなどをおこないます。家事専用の裏方スペースです。
キッチンやダイニングの脇に、机の代わりとなる棚板が一枚あるだけで簡単に作ることが可能となります。机の上に本棚があると、もっと使いやすくなると考えることは贅沢でしょうか。
「スタディコーナー」は、家族の気配を感じながらお勉強
家族がいるところでお勉強。
やや落ち着かないと思われがちですが、個室にこもられるよりは、はるかに安心していられます。言わば、見守り感覚ですね。
でも本当は、子どもたちにとって、家族がそばに居ることの方が集中できるのかも知れません。時には、パパやママの仕事スペースとしても使えます。
また、リビングやダイニングなどの一部を利用することから、お客様の目にさらされることになりますので、雑然とならないように、いつでも整理整頓を心掛けたい場所の一つです。
用途を決めた専用収納「リビングCL」と「ファミリーCL」
このスペースは、収納するものを確定させた単一用途としての収納です。
リビングクローゼットには、リビングにいるときに使う物を収納します。
例えば、読みかけの新聞や雑誌、ちょっとしたゴミ取りに使う粘着クリーナー(コロコロ)やスティック型の掃除機、ママの大切なひざ掛け、更には、子どもたちが遊ぶ玩具(おもちゃ)やテレビゲーム用品などです。
ファミリークロゼット(クローク)は、家族の部屋着からお出かけ用の服をしまう洋服入れです。外出時や帰宅時には、ここで着替えたり、カバン・帽子などのお出替え用品もストックしたりする専用の収納スペースとなります。従って、玄関・ホールからリビングに至る途中に設けるととても使い勝手が良いです。
心のおもてなしの「ニッチ」
飾り棚としてのニッチが豊かな生活を演出します。
ニッチとは、壁の隙間という意味ではなく、壁厚などを利用した「くぼみ」のことです。色や素材感のある家具などで棚をつくることに比べて、シンプルにつくられるので見た目をスッキリとさせる特徴的があります。
従って、周囲とのコーディネイトをあまり考えずに、飾る絵や陶器、調度品そのものを表現するのにふさわしいスペースといえます。外から帰ってきたときに、あるいは訪問されたお客様の目に留まる玄関やホールにあると良いです。
あると助かる「室内干しスペース」
共働き世帯の夫婦は、仕事に加えて、育児や家事などと何かと忙しい方たちです。当然ながら、洗濯は家事の中で大きな作業ウエイトを占めしています。
従って、ご夫妻が、室内のどこに洗濯物を干したらよいかと考えるのは当たり前のことです。普段、あまり使わない和室を物干し場とすることもあるでしょう。しかし、物干しの途中で移動することがない専用の物干しスペースや、洗濯したその場で干せるランドリーを提案すると、とても喜んでいただけます。
この様に、「脇を飾るスペース」は、決して主役ではないのですが、生活の営みの為に脇を固める役割を担います。
生活をしやすくする、あるいは盛り立てるという意味で「脇を飾る」と申し上げました。あったら嬉しく生活しやすくなることが、お施主さんにも想像できます。ヒアリングでこのご家族の生活に欠かせないと思ったなら、積極的にご提案してみてください。
最後に、「人気の生活スペース」は、家族仲良く住まうスペース、量より質を考える収納スペースと脇を飾るスペースの3つです。
今や、お施主さんにとって無くてはならないものとなっています。
予算を考慮し全体の床面積がオーバーしないように各スペースの提案を必ず行ってください。それが、人気の間取りをつくる秘訣の一つとなります。
次回は、「人気の間取りづくりの秘訣」の二つ目のポイント、「スペースとスペースを結ぶ動線」について詳しくご案内いたします。皆さん、ご期待ください!
- 一級建築士 / 遊建築設計社 代表松浦 喜則
平成4年、遊建築設計社を設立。「住まいの文化座」を主宰し住宅会社の設計や、 営業マンに提案ノウハウを伝授。合理的で、簡単なプラン提案の手法は好評。年間500棟のプランニング実績から生まれた、接客用ツールを開発。