2020年9月15日

プランニング

量より質を考える収納スペース

量より質を考える収納スペース

人気の生活スペース

皆さん、こんにちは!遊建築設計社の松浦です。
本日の第3回目は、引き続き『人気がある生活スペース』についてご案内いたします。

人気の生活スペースは3つ!

◆ 家族仲良く住まうスペース
◆ 量より質を考える収納スペース
◆ 脇を飾るスペース

人気の生活スペースは、上記の3つでしたね。
今日は、二つ目の「量より質を考える収納スペース」についてお話しさせていただきます。

住まいの成功&失敗アンケートの中で、必ず上位にランキングされるのが「収納」です。メモ欄には、「今まで少なかったので助かりました⤴」とか、「収納が少なくて使いにくい家となってしまいました⤵」など書かれています。家を建てる人には、モノを収納するということにとても関心が深く、生活に直結しているということですね。

特に、アパートからの住み替えの方からは「収納を多くしてください!」という要望が多いです。その理由は、アパートなどの賃貸住宅は、貸し出す床面積よりも、できるだけコンパクトにして部屋数を増やし、月々の家賃(売り上げ)を多くするように計画する。更に、間取りを気に入って頂いて契約するために、出来るだけ部屋を広く見せる計画が求められるからです。

その結果、収納面積を減らすこととなります。これが不満となり、収納力に対する欲求が深まると言われています。

収納率とは

ところで皆さん、「収納率」という言葉をお聞きしたことがありますか?
収納スペースを、延べ床面積で割った百分率のことを「収納率」といいます。これは、とても良い考え方です。
しかし、一歩間違えれば、とんでもない間取りとなってしまいます。即ち、収納率を意識するあまり住みにくい住宅をつくりかねなくなるということです。

親子が住まうための“理想とする収納率

それでは、また質問します。

戸建て住宅の収納率は、何パーセントが理想なのでしょうか?

分譲住宅(建売)を計画するのなら、12~13%と言われています。みなさん、意外と多いと感じませんか。
例えば、延べ床面積30坪の住宅ならば、30坪×(12~13%)≒4坪となります。これは、8帖分の広さです。造り付けのクローゼットの代わりに、かわいくて機能的な家具を買って部屋に置きたい。と思うなら、その床面積でもう一つ寝室がつくれますね。
少し言い過ぎかもしれませんが、まじめに考えたくなる事です。

では、理想とする収納率(面積バランス)は何パーセントなのでしょうか?
答えは、注文住宅の収納率にあります。私たちは、10%としています。添付している「理想的な収納率」の表をご覧ください。これが理想とする収納率です。

挿絵

収納率を下げて、満足度を上げる?

2~3%も少なくなりましたね、何故なんでしょうか?
それは、お施主さんと打ち合わせをして求めた結果だからです。
私たちは、お施主さんと一緒に収納する物の大きさや数量を把握して、棚の奥行きや枚数、ハンガーパイプの長さを決めていきます。その結果において収納率が10%くらいになります。

分譲住宅の場合は、ターゲットは想定するのですが、実際に住まう方との詳細な打ち合わせをすることがなく、出来上がった建物で、住まいやすさなどの評価をいただくことになります。従って、収納が少なすぎて生活しにくいと思われたくないので、必然的に収納率を上げてしまいます。この差が2~3%となるかと思います。

では、満足度を上げるために何をしたら宜しいのでしょうか。
例えば、「可動棚」を用いて、量が増えても棚の段数を増やして対応できるようにする。或いは、丈の短い服が多いようなら、ハンガーパイプを「二段」にする。同じ収納面積でも、倍のモノが納まるように工夫することです。これが、収納を床面積という「量」で考えるのではなく、収納方法という「質」で考えるということではないでしょうか。これならば満足度の向上、間違いありませんね!何故って、収納量が変わらずに、その他スペースが確保できるからです。

人気の収納スペースは

近年、人気のある収納スペースは、第一に玄関脇に設けた「収納庫」です。
上下足の履き替えができて、玄関からもホールからもできる2WAYタイプは特に人気があります。玄関に家族の靴が並ぶことがなく、いつもお客様をキレイな玄関でお迎えができるからですね。

第二に、キッチン脇にある「パントリー」です。
特に中に入れるウォークインタイプです。本来は、食器庫なのですが、このタイプにすることによって、買い置きの食品や調味料、時にはティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの日用品、掃除用品まで仕舞うことができます。いろいろな物をキッチン脇の収納の一ヵ所にあると、家事がまとめてできて生活しやすいからでしょうか。

第三に、主寝室に併設された「ウォークインクロゼット」です。
これは、壁面収納のクローゼットに比べて、室内の容積一杯に収納できる魅力があります。よく使う物は、手に取りやすい目の前に置き。普段あまり使わない物は、天井近くに設けた天棚に仕舞って置きます。無駄なくスペースが使えるので人気なのでしょうか。

これらのスペースは、今最も人気が高いです。むしろ、今や無くてはならないほど必要不可欠となっています。

更に広く、使いやすく!

更には、家族が集うスペースを可能な限り広くすることも求められています。これからの時代は、延べ床面積を増やさずに、如何にお施主さんの希望にお応えするかが問われているのです。

私たちは、住まい手に寄り添って収納方法という「質」を高めていきながら収納率を減らし、お施主さんが希望するスペースを新たに確保しなければなりません。そのことを解決するのが「収納」の在り方です。今後、もっともっと研究しなければならないと感じています。皆さんも、是非考えて要望に応えてあげてください。

次回は、「脇を飾るスペース」についてお話しします。脇を飾るとは何か?これも人気の生活スペースです。楽しみにお待ちください。

松浦 喜則氏
一級建築士 / 遊建築設計社 代表松浦 喜則
平成4年、遊建築設計社を設立。「住まいの文化座」を主宰し住宅会社の設計や、 営業マンに提案ノウハウを伝授。合理的で、簡単なプラン提案の手法は好評。年間500棟のプランニング実績から生まれた、接客用ツールを開発。

遊ベーシックデザインの会 住まいの文化座

全国の住宅会社・工務店とともに設立した「デザイン住宅に特化した会」です。時代に合った生活提案力のある商品企画、社員力向上のためのデザイン研修、定期会合や文化交流会(建物見学会)などによる情報交換を行っています。

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