2019年11月7日

コミュニケーションを育む“リビング階段”の暮らし

“リビング階段”の暮らし

家を建てるときに、妻と家族生活について話し合いました。

いつでもどこでも、お互いの顔が見える生活を送りたい。
泣いたり笑ったり、みんなが一緒に暮らせることに幸せを感じて生活を送りたい。

それが二人で出した結論でした。

住宅会社の設計の方に相談しましたら、
「リビング階段が良いのでは!」とアドバイスをいただきました。
それは、玄関から一度リビングに入ってから2階へ上がる動線を持つ間取りの構成が「リビング階段」とのことでした。
妻と私は、その間取りならば毎日必ず家族と顔を合わせることになり、おのずとコミュニケーションが図れると納得して家を建てました。

今日も朝から、にぎやかな家族の会話が始まります♪…

ジュー、フライパンから水蒸気が上がり、
妻は、目玉焼きの焼きかげんに満足げな顔です。
きっと、やや半熟なのだろう! とその時、
ドタン、バタン!
突然、2階からドアを開け閉めする音が聞こえ、追いかけるように、
「お兄ちゃん、早く出てぇ!」と声がする。
せっかくの気分を壊された妻は、少し声をあらがえて、
「どうしたの?」と階段に向かって呼びかける。
「トイレから出てくれないの!」と2階にいる娘の声。
妻は、もぉ~!という顔つきで、「1階のトイレを使いなさい!」と声を掛けた。

おぉ~♪♪、また始まったな!我が家の毎朝の行事が。
こんな生活が、いつまでも続くといいなと感じた。
おっと、いけない。うっかりしていた!もう時間がない。
早く洗濯物を干し、朝ご飯を食べて会社へ行かなくっちゃ!

皆さんいかがですか、このほほえましい一日の始まりは!

私たちは、デザイン良く姿カタチをつくり、予算の中でプランを提案することが
使命です。しかし、一番の役割は、お施主さんが望む理想の生活が営まれるスペースや動線を提案し、共に納得の上で間取りを確定することです。

今回のお施主さんの希望に沿う住まいは、リビングやダイニング、時にはキッチンの
そばから上り下りする「リビング階段」を設けることで解結できると確信しました。
それによって、1階と2階が一体になり、お家の中で今何が起きているか一目瞭然となるからです。

ほんの少し、動線を変えるだけで家族の会話が生まれ、その瞬間を共に過ごすことが
できます。信頼関係は、お施主さんの望む暮らし方を理解し、具体的に提案することから始まるのではないでしょうか!

挿絵

ライフスタイルBOX
松浦 喜則
一級建築士 / 遊建築設計社 代表松浦 喜則

平成4年、遊建築設計社を設立。「住まいの文化座」を主宰し住宅会社の設計や、 営業マンに提案ノウハウを伝授。合理的で、簡単なプラン提案の手法は好評。年間500棟のプランニング実績から生まれた、接客用ツールを開発。

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全国の住宅会社・工務店とともに設立した「デザイン住宅に特化した会」です。時代に合った生活提案力のある商品企画、社員力向上のためのデザイン研修、定期会合や文化交流会(建物見学会)などによる情報交換を行っています。

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