プランづくりのいろは⑦
平面形状で変わる外観デザイン
こんにちは!遊建築設計社の松浦です。
本日も、外観デザインについてお話しさせていただきます。
前回、デザイン力を身に付ける方法をお伝えしました。
それは、①様々な形を知り、②その構成要素を確認して、③それぞれをデザイングループに分けることから始めました。
さあ、次は「外観のつくり方」です。
様々な「形(スタイル)」を創り出すのは、屋根形状や外壁の凹凸によるところが大きいのですが、その元になるのが「平面の形状」です。
お施主さんの好きな外観デザインとなるように平面図を整え、そのまま立面図を描いたら、あーら、不思議!お好みの外観デザインが出来上がっています。
魔法のようなお話しですが、順を追ってご説明させていただきますので
ご安心ください。
先ず、お施主さんのお好みの外観デザインをご覧ください<外観図>。
総二階建ての建物に寄棟屋根を架け、玄関部分やバルコニーの凹凸によって外壁に陰影を与え重厚感を醸し出しています。
更に、軒先と2階窓下のモールディング(見切り縁)による水平ラインを強調した
外観デザインです。
お施主さんが住みたい間取り<図A1>は、玄関には収納庫と階段、対面キッチンを持つLDK(16帖)、キッチン近くにミセスコーナーと洗濯機がある洗面脱衣室。
2階は、階段を上がってフリースペースとトイレ、3つのベッドルームがあります。
最近流行りの家事動線優先・収納優先の暮らし方が可能な住まいでしょうか。
お施主さん好みの「外観デザインのつくり方」
では、基本的な暮らし方(間取り)を変えずに、お施主さん好みの「外観デザインのつくり方」をご説明します。
最初に確認することは、外壁の凹凸です。
どの外壁が一番手前で、どの外壁が一番奥にあるのか?この外観は、バルコニーの手摺壁が一番手前です。次に手前にあるのは、バルコニー両サイドの1階と2階の外壁。
一番奥にあるのが、バルコニー上下の外壁です。
このことから、お施主さんのお好みの外観デザインは、<図2>のような凹型の平面形状であることが想像できます。
この間取りを凹型の平面に整えるには、
① 右のブロックを南にスライドさせ、
② 南西角にフカシ壁を設けることです。
これで、凹型の平面形状<図A2>ができ、好みの外観が完成されます。
もちろん、暮らしの基本となるスペースは残していますし、動線もまったく変わっていません。
最後に、平面の形状は複雑にしないことです。
ブロック分けができるシンプルな間取りならば、お施主さんの希望に合せた様々な外観がつくれることを覚えておいてください。
次回は、間崩れのない「安心の家づくり:ブロックプラン」をご案内します。
シンプルな間取りが適える家づくりにご期待ください。
- 一級建築士 / 遊建築設計社 代表松浦 喜則
平成4年、遊建築設計社を設立。「住まいの文化座」を主宰し住宅会社の設計や、 営業マンに提案ノウハウを伝授。合理的で、簡単なプラン提案の手法は好評。年間500棟のプランニング実績から生まれた、接客用ツールを開発。