2018年2月28日

プランづくりに「天才」はいない

門前の小僧習わぬ経を読む

家づくりのお話しを聞いているうちに、
いつの間にかプランづくりができるようになってしまった。

天才か!夢のようなお話しですね。

確かに、夢の中で幾度となく天才ぶりを発揮したことを覚えています。皆さんも、プランニングで悩み続けたときに、そんな夢を何回も見られたのではないでしょうか。

プランのつくり方は「盗め!」

どうしたら、プランニングが上手くなるのでしょうか?

様々な家づくりの「本」を読みあさり、知識を増やすこと。更には、上手い人、師事する先生のつくられるプランを見て覚えていくことに尽きる。
盗みなさい、それしかないのです!

先生は、一つひとつ丁寧には教えてくれません。自身の努力と学習力で乗り越え、素晴らしい建築家になってください。苦労をしなければ、一人前になれないのです。艱難辛苦(かんなんしんく)を経験しなければ、味わい深い奥行きのある間取りは出来ません。

「苦労をしなければ、一人前になれない」
昔からそう言われていますが、果たしてそうでしょうか?
本当に、そんなやり方が一番なのでしょうか?

努力とか、苦労とか、さらには有るかどうかもわからない才能とかの『目に見えないもの』頼りのプランニング力に疑問を感じるのは、私だけでしょうか。
皆さんはいかがでしょう?

ショック、shock「心臓が…!」

プランニング力を伸ばすために、スパルタ方式はいかがでしょうか。
いまどき、そんな言葉は死語ですか?

温かく丁寧では、人間覚えていかないので、「違うだろうー、そうじゃないー。こうやるの!!」とか、「あーあ、また間違ってる…。何回言わせたら理解するの!」ピシッ、ピシッと、鞭打つ音が聞こえそうです。ショックで、「し、心臓が止まるぅ!」なんて…、やっぱりいまどきではないですね。

私たちは、私たちがつくる家の中で、幸せに暮らしていただく家族のために、住まいを提供していくのが仕事です。そんなギスギスした中で、泣きながらつくった家と知ったら、どうして心地よく住めましょうか。

プランづくりに「天才」はいない!

では、何もせずにプランがつくれるのでしょうか?

お施主さんに気に入ってもらい、「ありがとう!」と感謝をされて、心豊かな生活を育んでいただけるのでしょうか?

いや、やっぱり、それなりにプランづくりを覚えなければなりません。

プランニングで大切なのは、一つひとつ順番を経て間取りをつくること、外観を整えていくことです。その方法は、『1+1は、2』のように矛盾なく、一歩一歩前に進めていくことにつきます。

家づくりに天才もいなければ、凡才もいません。

たまたま偶然に素晴らしいプランが出来ることも、もちろんありません。お施主さんの住みたい家を理解し、暮らし方を把握したうえで、「論理的」にまとめていくことがベストなのです。

まさに、経に書かれている教えを一つひとつ理解し、悟りを開き、多くの方々に教えを説いていくことに似ているのです。皆さん、焦らずにそこから始めてみませんか!

松浦 喜則
一級建築士 / 遊建築設計社 代表松浦 喜則

平成4年、遊建築設計社を設立。「住まいの文化座」を主宰し住宅会社の設計や、 営業マンに提案ノウハウを伝授。合理的で、簡単なプラン提案の手法は好評。年間500棟のプランニング実績から生まれた、接客用ツールを開発。

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