プランづくりのいろは②
プランニングに必要な単位空間
こんにちは!
今回はヒアリング中にプランを確定する方法についてお話ししたいと思います。
プランづくりのいろは①では、ヒアリングとは聞き取りではなく、今や「プラン確定の場」であるとお伝えいたしました。そのプラン確定の為に身に付けなければならないことに、建物規模(床面積)を把握する力があります。
皆さんにお聞きします。
お施主さんの希望を叶えようと間取りをつくったら、予算から割り出した延べ床面積をオーバーしたことがありませんか?
ご要望のすべてを盛り込んでも予算オーバーしたなら、
当然ですが契約には至りません。
なぜ、床面積が大きくなるのでしょうか?お施主さんにとって、家は一生に一度の高価な買い物です。せっかく建てるのなら、あれもやりたい、これも欲しい!と思うのが人間の性(さが)です。結果、予算よりも1~2割大きくなるのが当たり前に。
では、どうしたら良いのでしょうか?
それを防ぐためには二つの方法があります。
延べ床面積をオーバーしない二つの方法
一つは、帖数表(床面積表)をつくることです。
ヒアリングが概ね終わりかけたら、お施主さんの目の前で延べ床面積の集計をするのが正解です。オーバーしていたら、「床面積が超えてしまっています!」と、はっきりお伝えいたしましょう。
誰だって予算内で建てたいと思っています。
二つ目が、今日のタイトルにある「単位空間」を皆さんが把握することです。
言葉にすると、何となく仰々しくて難しそうな気がしますが、
そんなことはありません。
例えば、主寝室にシングルベッド2台を置きたい、としましょうか。それならば、広さは8帖以上必要だと思い込むこと。
これは間違い、延べ床面積が大きくなってしまいます。
主寝室に必要な面積を長さから求めてみましょう。
ベッドサイズを確認し、ベッドメーキングのスペースを取って部屋の最小値のタテヨコ寸法を割り出し、掛け合わせれば主寝室の最低限の広さを求めることができます。
そうです、挿絵のように、7帖からつくることが可能となります。数字はウソを言わないので間違いありません。この1帖の差が小さくつくるコツとなるのです。
皆さんもこのように、一部屋ずつ帖数を割り出していけば、お施主さんの予算内の延べ床面積で、暮らし方の希望を叶えた間取りをつくることが可能になります。
今や家を求めるミレニアル世代(一次取得者)の予算は減る一方。
できるだけ希望するスペースを設けながら小さくまとめることが要求されている時代です。単位空間を学んで、間取りを確定する力を身に付けてください。
次回は、プラン確定の為に身に付けなければならない「ゾーニング」についてお話ししたいと思います。
ご期待ください!
- 一級建築士 / 遊建築設計社 代表松浦 喜則
平成4年、遊建築設計社を設立。「住まいの文化座」を主宰し住宅会社の設計や、 営業マンに提案ノウハウを伝授。合理的で、簡単なプラン提案の手法は好評。年間500棟のプランニング実績から生まれた、接客用ツールを開発。